Official M4A1 USASOC URG-I Clone and Picture Thread
URG-I (Upper Receiver Group – Improved) は、米陸軍特殊部隊のM4A1に搭載される新型アッパー。現在のBlock 2アッパーを更新する存在なので、非公式に「SOPMOD Block 3」と呼ばれている。
構成
事情を知っているGS5414氏によると、URG-Iは次のような構成になる。
- Geissele Super Modular Rail MK16 M-LOK (13.5″, DDC色)
- Geissele Airborne Charging Handle (DDC色)
- Daniel Defense 14.5″ Mid-Length 冷間鍛造バレル
- Daniel Defense MK12 ガスブロック
- SureFire FH556-RC フラッシュハイダー (通称SF4P, 導入済)
- *Geissele Super Select-Fire Trigger (導入済)
- *H2バッファー
(*印はロウワーの部品であることを示す。)
最大の特徴は、ガイズリー社のレール(しかもM-LOK対応)が導入されることである。元々ガイズリーは米軍SOFに高品質のトリガーを提供していたメーカーだったが、2012年頃にデルタ向けHK416レールを納入して以来、ハンドガード業界で名を馳せるようになった。
これまでの変遷を振り返ると、KAC RIS/RAS(Block 1)→ DD RIS II(Block 2)→ Geissele SMR MK16(Block 3)ということになる。
ガイズリー社はSHOT 2018で市販用URG-Iを発表した。市販用URG-Iは上記の米軍用URG-Iと構成が一部異なるため、「市販用を買っても完全再現は不可能」と肩を落とす人もいる。参考として、市販用URG-Iの構成も記しておく。(記事冒頭の写真が市販用URG-I。)
- Geissele Super Modular Rail MK16 M-LOK (13.5″, DDC色)
- Geissele Airborne Charging Handle (DDC色)
- Daniel Defense 14.5″ Mid-Length 冷間鍛造バレル
- *Geissele Super Gas Block (より小型になった新型モデル)
- *SureFire WarComp-556 フラッシュハイダー (写真のみ、実際はSF3P)
(*印は米軍用URG-Iと異なることを示す。)
計画
「USASOCが新型アッパーを開発している」という情報が公開されたのは、2017年5月のNDIA Armament Systems Forumだった。

そこで発表された上の資料から、次のことが判明した。
- 5.56mm M855A1弾の使用を前提とする。
- 14.5″の銃身にミッドレングスのガスシステムを使用する。
- レールシステムとしてM-LOKを採用する。
- マズルデバイスとしてSureFire WarCompを採用する。
- NSWC Craneが「ミッドレングス vs. カービンレングス」の試験を実施している。
いくつか補足しておきたい。
M-LOKはNSWC Craneのお墨付きを受けてSOCOMに採用された規格である。NSWC Craneは「KeyMod vs. M-LOK」の試験を行い、M-LOKはKeyModよりも堅牢で信頼できると結論した。M-LOKは米陸軍の新型狙撃銃・M110A1 CSASSに採用されたほか、SOCOMが計画中のSURG (Suppressed Upper Receiver Group) やASR (Advanced Sniper Rifle) にも採用される予定。
SureFire WarCompは「上側と右側」にガスポートを備えた消炎制退器である。右側からガスを噴出することで、右利きの射手が左手でハンドガードを押さえつける力とバランスを取る。アンビ化などの理由でガスポートが「V字型」になるように取り付けることを neutral timing という。しかし実際のURG-Iには、上で紹介した通り、WarCompではなく既存のSF4Pが使われる。
GS5414氏によると、URG-IはUSASOCが組み立てを行う予定。SOCOMのSOPMOD Block 1/2ではNSWC Craneが組み立てを担当していたが、URG-IはSOCOMの計画ではなくUSASOC独自の計画なのである。
露出
URG-Iという言葉がネットで初めて公表されたのは、2017年9月のSoldier Systemsの記事だった。米海兵隊が後援する装備展示会・MDM 2017にてGeissele SMR MK16が初公開された時の記事である。

しかし実際には、米軍はその数ヶ月前(2017年の夏頃)からMK16レールを使用していた。ARFCOMで写真がリークされている。




これらはURG-Iのプロトタイプであると考えられる。
→ URG-Iの前身となる別の計画であることが判明した。詳細は後の記事で扱う。(ヒント: 陸軍のURG-Iがなぜ海兵隊のイベントで発表されたのか?)