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L3Harris NGAL:禁断のチョコレートバー

2026 8/12
2026/08/122026/08/13
目次

概要

Next Generation Aiming Laser (NGAL) は、米国のL3Harris Technologies1が開発・製造する多機能レーザー照準具2である。主な機能として、赤色VIS / IRレーザーとIRイルミネーターを有する3。開発当時の旧名は Miniature Aiming Laser (MAL) で、今でも付属品の品番にその名残がある。

  • 2016年7月、Soldier Systemsの記事で初公開された。
  • 2016~2017年、特殊部隊で運用が開始された4。
    • ドイツ陸軍KSKは、NGALを最初に取得した特殊部隊のひとつと考えられる5。
  • 2018年9月、Miniature Aiming System – Laser (MAS-L) Squad Aiming Laser (SAL) として、米軍特殊部隊 (SOCOM) に採用された。
    • SOPMOD Block 2 (MDNS) で採用された Insight ATPIAL (LA-5/PEQ) の後継にあたる。
    • SALの選定候補は、B.E. Meyers MAWL、L3Harris NGAL、Wilcox RAID Xの3品種であった6。
  • 2019年4月、米軍の制式名 LA-23/PEQ として、NSN 5855-01-680-0712 が付与された。

高出力のため官公庁限定であり、民間人への販売は規制されているが、グレーマーケットを通じて民間でもわずかに流通している。その魅力と希少性から、禁断のチョコレートバー (forbidden chocolate bar) という異名をもつ。ATPIAL-Cのような民間モデルの発売が噂されていたが、公式発表はまだない。

NGALの取扱説明書。筆者が実物をスキャンしたもの。各部の名前と機能がわかる。
米軍SOCOMのNGAL、LA-23/PEQの取扱説明書。(@gearcentralsupply, 2024/10/18)
禁断のチョコレートバー🍫 (HRF Concepts)

世代

NGALは、筐体の外見と機能から、3つの世代に分けられる。これは筆者による非公式の分類である。なお、NGALのエアソフト用レプリカも「第n世代」と称して販売されているが、その世代区分とは無関係である。

スクロールできます
仕様・特徴第1世代第2世代第3世代
外見
P/NMAL-010-A100MAL-010-A1
SAL-010-A1
MAL-010-A1
NGL-010-A1
SAL-010-A1
初製造
(筆者の確認)
2016年1月2017年10月2017年12月
初登場
(筆者の確認)
2016年7月2018年1月2018年3月
筐体プラ?アルミ、光沢あり(アノダイズ)アルミ、光沢なし(コーティング)
刻印凹凹凸
◀◎▶なしありあり、左側面は変形
プラグクレーンLA23LA23
VISレーザー出力4.0 mW (Low)
65 mW (High)
*50 / 80 mW (High)4.9 mW (Low)
80 mW (High)
IRレーザー出力0.6 mW (Low)
25 mW (High)
*15? / 35 mW (High)0.6 mW (Low)
35 mW (High)
IRイルミ出力3.0 mW (Low)
80 mW (High)
*75 / 90 mW (High)2.7 mW (Low)
90 mW (High)
*第2世代は年によって出力が異なる(後述)

第1世代:初期型(2016年)

最初のモデル。2016年7月にSoldier Systemsで初公開、2017年にInsight Technologyのカタログに初掲載された。プラ製に見えるチープな筐体が特徴である。

第1世代NGAL。S/N 000117、2016年1月製。(IEA Mil-Optics)
第1世代NGALのスペックシート。図説に間違いがあり、イルミ調整ネジが4つある。実際には、左の2つがイルミ調整ネジ、右の2つがレーザー調整ネジ。(Soldier Systems, 2016/07/20)
MR223A3に装着された第1世代NGAL、S/N 000117。インサイトのデュアルスイッチ (P/N RMT-400-A8) が接続されているが、このスイッチのプラグは旧規格で、NGALの新規格に対応していない。(IEA Mil-Optics, 2017/02/08)
HK416Dに装着された第1世代NGAL。旧プラグ対応のNGALか、新プラグつきのスイッチか、それともスイッチは飾りか? (IEA Mil-Optics, Milmag, 2018/09/28)
@1minuteout, 2018/10/09
@1minuteout, 2018/10/18
元デルタフォースのジェイミー・コールドウェル (Jamey Caldwell) 氏が所有していた第1世代NGAL。凹刻印の一部にホワイトが入っている。2ボタンスイッチのプロトタイプが写っている。
FN SCARに装着された第1世代NGAL、凹刻印にホワイト入り。(ADS, 2020/12/23)
第1世代NGAL、凹刻印にホワイト入り。2ボタンスイッチのプロトタイプと、単3電池用バッテリーキャップも写っている。(@SinnSteiner, 2022/10/17)

第2世代:過渡期型(2017~2019年)

2018~2019年のSHOT Showで展示されたモデル。金色に輝くアルミ製の筐体7が特徴である。米陸軍デルタフォースで用例がある。

  • イルミ調整ネジの周囲の形状を変更
    • LA-5/PEQの特徴であった◀◎▶を受け継いだデザインランゲージ
  • バッテリーコンパートメント表面の形状をわずかに変更
    • この部分のステッカーが小さくなった
    • 電池の向きを示すマークを、ステッカー印刷から本体刻印に変更
  • バッテリーキャップとその脱落防止リングの形状を変更

側面のステッカーをよく見ると、年によって出力が異なる。2017~2018年モデルは、第1世代よりも出力が低い。2019年モデルは、第3世代と同じ出力である。(上の表を参照)

SHOT 2018で展示された第2世代NGAL。(Facebook, 2018/01/24)
SHOT 2018で展示された第2世代NGAL。"DEMO, CTP CN: 269" という刻印がある。(Recoil, 2018/03/02)
フォートブラッグで撮影されたとみられる第2世代NGAL。(Facebook, 2018/03/29)
SHOT 2019で展示された第2世代NGAL。2018年の展示品と比べて、レーザーとイルミの出力が上がっている。(The Firearm Blog, 2019/02/01)
@1minuteout, 2019/11/23
@1minuteout, 2019/12/04
@1minuteout, 2019/12/04
@1minuteout, 2019/12/04
@1minuteout, 2019/12/07
@1minuteout, 2020/04/25
@1minuteout, 2020/10/13
@1minuteout, 2021/10/07
ジェイミー・コールドウェル氏が所有していた第2世代NGAL。現在のものと同じMAL-097スイッチが接続されている。単3電池用バッテリーキャップも写っている。
2021~2022年、アフガニスタン駐留米軍のスコット・ミラー司令官を護衛するデルタ隊員。金色に輝く第2世代NGALが装着されている。(出典不明)
第2世代と第3世代の比較。凹刻印と凸刻印の違いがよくわかる。(HRF Concepts, 2023/05/30)
デルタに支給された第2世代NGAL、2017年10月製。L3Harrisがデルタに貸し出していたもの。現在はコレクターが所有している。「MALはJSOC向け、SALはSOCOM向け」と筆者は考えていたが、これはSALである。(GoldGun, 2026/04/18)

第3世代:現行型(2018年~)

現行のモデル。2018年3月に米軍特殊部隊での初用例が確認された。アルミボディに謎のコーティングが施された、マットな質感の筐体が特徴である。

USASOC International Sniper Competition 2018にて、LaRue OBR 7.62を構える米陸軍1st SFG隊員。米軍特殊部隊におけるNGALの最初の用例である。第2世代にも見える。(DVIDS, USAJFKSWCS, 2018/03/20)
第3世代NGALのスペックシート。2枚目では、第1世代の写真を再利用しているが、図説の間違いは修正されている。(L3Harris, 2020)
ジェイミー・コールドウェル氏が所有している第3世代NGAL。結局、3世代すべてのNGALを手にした人物である。(@1minuteout, 2022/04/04)

品番・バリエーション

これまでに判明している第3世代NGALのバリエーションを紹介する。これらはすべて、High Powerモデル、TANカラー8、MIL/LE/GOV限定である。

  • 000 = レーザー本体と付属品を含むキット
  • 010 = レーザー本体のみ
    • MAL-010-A1 = プロトタイプ
    • NGL-010-A1 = 20m防水仕様
    • NGL-010-A3 = A1の単3電池仕様
    • NGL-010-A7 = 1m防水仕様
    • NGL-010-A8 = A7の単3電池仕様
    • SAL-010-A1 = SOCOM仕様 (LA-23/PEQ)

MAL-010-A1:プロトタイプ

  • 第2世代と同じ品番
    • NGALではなく、MALと呼ばれていた時期に生産された
  • 2017年製の第3世代は異例!
  • ステッカーの色に赤みがあるのが特徴
2020年にCalguns.netで出品された希少なMAL。L3Harrisがデモ機として使っていたもの。S/N 1003**、2017年12月製。(Calguns.net, 2020/02/22)
MAL-010-A1、S/N 1003**、2017年12月製。(出典不明)

NGL-010-A1:20m防水仕様

  • "NGAL KIT, HIGH POWER, TAN" (ADSカタログ)
  • 20メートル防水認定 (1時間)
    • 66フィート (20メートル) 防水の軍用規格に合わせて作られ、66フィートで防水を試験・認定されたモデル
  • CR123A電池 (1本) 仕様
  • NGL-000-A1キットの内容
    • NGL-010-A1: NGAL System, High Power, 20 Meter, Tan
    • MAL-092-A1: Pattern Generator Kit
    • MAL-097-A1: Remote Assembly, 2 Button, Tape, Tan, 6"
    • NGLHP-QRG-ITI: Quick Reference Guide, NGAL
    • NGLHP-TM-ITI: Operator Manual, NGAL
    • 4B949: Bag, Carrying (refer to A3186949)
    • DL123ABK: Battery, Lithium, 3 Volts
    • MHW-020-55: Hex Key, 5/64, Blk
  • NSN 5855-01-668-3905 (2017/11/21)
    • カナダ、韓国向け
  • NSN 5855-01-675-0741 (2018/08/21)
    • 米国、イタリア、フィンランド、イスラエル向け
  • 価格:$2,988.48 (ADSカタログ)、$??? (NSNデータ)
  • 個体例
    • S/N 1010**, DATE APR18
    • S/N 1023**, DATE FEB19
    • S/N 1025**, DATE MAR19
    • S/N 1090**, DATE OCT20
    • S/N 1095**, DATE MAY21
    • S/N 1143**, DATE JAN22
    • S/N 1172**, DATE MAR23
    • S/N 1174**, DATE MAR23
    • S/N 1188**, DATE SEP23
某所で出品されたNGL-000-A1のフルセット (某氏提供)

NGL-010-A3:A1の単3電池仕様

  • "NGAL KIT, HP, AA, TAN" (ADSカタログ)
  • NGL-010-A1の単3電池 (1本) 仕様
    • 専用のバッテリーキャップが付属する
  • 価格:$2,988.48 (ADSカタログ)
CR123仕様と単3仕様。バッテリーキャップを交換するだけで変換できる。(Nick Chen, 2021/07/14)

NGL-010-A7:1m防水仕様

  • "NGAL KIT, HP, 1 METER, TAN" (ADSカタログ)
  • 生産終了 (ディーラーの説明によると)
  • 1メートル防水認定 (1時間)
    • 66フィート (20メートル) 防水の軍用規格に合わせて作られたが、1メートルで防水を試験・認定されたモデル
  • CR123A電池 (1本) 仕様
  • NGL-000-A7キットの付属品はNGL-000-A1と同じ
  • 価格:$2,929.88 (ADSカタログ)
  • 個体例
    • S/N 1050**, DATE APR20
    • S/N 1153**, DATE JAN22

NGL-010-A8:A7の単3電池仕様

  • "NGAL KIT, HP, AA, 1 METER, TAN" (ADSカタログ)
  • NGL-010-A7の単3電池 (1本) 仕様
    • 専用のバッテリーキャップが付属する
  • 価格:$2,929.88 (ADSカタログ)

SAL-010-A1:SOCOM仕様

  • 米軍特殊部隊 (SOCOM) 仕様
    • LA-23/PEQ Squad Aiming Laser (SAL)
  • NSN 5855-01-680-0712 (2019/04/18)
    • USASOC, AFSOC, MARSOC, NSW, SOFSA向け
    • ステッカーにNSNが追記され、テキストが5行になった
  • CR123A電池 (1本) 仕様
  • 価格:$3,000.00 (NSNデータ)
  • 2023年製からS/N記載のステッカーが黄色になった
  • 個体例
    • S/N 1074**, DATE OCT20 以前
    • S/N 1089**, DATE MAY20
    • S/N 1120**, DATE NOV20
    • S/N 1198**, DATE MAR22
    • S/N 1286**, DATE JUL23 (黄色ステッカー)
    • S/N 1304**, DATE MAR24 (黄色ステッカー)
America Fest 2025 (沖縄・嘉手納基地) で展示された、1st SFGのLA-23/PEQ。SAL表記、5行テキスト、黄色ステッカーが確認できる。(ALCM, 2025/03/22)

GSG9仕様?

  • 品番不明
  • ステッカーが黒色
    • 警告マークの位置など、記載内容も異なる
ドイツ連邦警察特殊部隊・GSG9のHK G36Cに装着された、黒ステッカーNGAL。(@tacticalporn, 2020/06/01)

リモートスイッチ

  • 純正リモートスイッチは2種類ある
    • MAL-063-A1 (1ボタン)
    • MAL-097-A1 (2ボタン)
      • 丸いボタンを押すと、IRモード設定中でもVISレーザーを照射できる (VISオーバーライド機能)
  • ケーブルの長さによってP/Nの末尾が異なる
    • A1 = 6" (15cm)
    • A2 = 4" (10cm)
    • A3 = 9" (23cm)
    • A4 = 12" (30cm)
    • A5 = 20" (51cm)
    • A6 = 34" (86cm)
  • プラグは新規格 (通称LA23プラグ)
    • VISオーバーライド機能を実現するため
    • ATPIAL (LA-5/PEQ) までの旧規格 (通称クレーンプラグ) には対応していない
1ボタンのMAL-063スイッチと、2ボタンのMAL-097スイッチ。(RTK)
ドイツ軍特殊部隊の新小銃、G95K (HK416A7) に装着された第3世代NGAL。上はMAL-097スイッチ、下はRMT-400スイッチが接続されている。このRMT-400はケーブルが1本しかない! (HKPro, 2019/05/21)

レビュー

NGL-000-A1の実物フルセットを新品で入手したので、簡潔にレビューする。

開封後の第一印象は「本当に小さい!」であった。ステッカーの文字も非常に細かく、80%に縮小されたミニチュアかと思った。ところどころ、コーティングを塗りなおしたような斑点がある。しかも色が合っていない。しかし、逆説的に、この粗末な見た目が実物らしさにつながっている。レプリカが実物っぽくないのは、きれいすぎるからである。

レーザーの性能は平凡である。IRレーザーのAim Low (AL) モードはClass 1なので、比較的安全に使用できる。VISレーザーとIRレーザーの調整は同期 (co-align) されている。つまり、VISレーザーをゼロインすれば、IRレーザーもゼロインされる。

フルパワー機の最大の魅力は高出力イルミである。ATPIAL-Cなどの民間モデルは、イルミ出力が大幅に制限されているので、使いものにならない。しかも、NGALのイルミはVCSEL (垂直発光) である。edge-emitting (端面発光) のATPIALと比べて、隅々までムラのないきれいな円形ビームを照射できる。Surefire V1ライト (KM1-Dヘッド) のIR Highモード (100mW) と比べると、NGALのIlluminator High (IH) モード (90mW) のほうが、夜間の森の中をより遠くまで照らし、安心して進むことができた。

レンズカバーは、IRレーザー側(上)が出力を抑えるNDフィルター、VISレーザー側(下)が不透明になっている。つまり、レンズカバーをつけたままVISレーザーを照射できない。
LA23プラグとクレーンプラグ。クレーンプラグのスイッチはやっぱり使えなかった。

問題点・将来性

"Next Generation" を冠するNGALであるが、近年は、設計や機能の面でさらに進化したレーザーが登場している。そのため、NGALもすでに時代遅れになりつつある。

フロントサイトと干渉する

NGALのVISレーザーは、米軍SOCOMの定番BUISである、KAC P/N 99051と干渉する。スプラッシュと呼ばれる現象である。NGALを先端に、BUISを手前に装着することで防止できる。

KAC P/N 99051は、逆付けしても、NGALのVISレーザーと干渉する。(Weapon Outfitters, 2022)

横入れバッテリーではない

NGALの電池は、後端のバッテリーキャップを回し外して交換する。ATPIALと同じ方法である。しかし、NGALのすぐ後ろにスイッチを置いたり、ドットサイトのすぐ前にNGALを置いたりすると、電池交換の妨げになる。

また、銃の反動で電池が前後に動くので、通電が安定しないおそれがある。ATPIALのShock Hardened仕様でバッテリーキャップが改良されたのも、通電を安定させるためである。

これらの理由により、最近のレーザーでは、電池を横から入れる設計 (transverse battery, side-loading battery) が主流になりつつある。

近年では、このようにレーザーを手前置きしている例が多い。この状態で電池交換しやすいか? (Unity Tactical)

銃軸と光軸の差がある

ハイドラマウントが「銃軸線と照準線の差が大きい」と批判されるように、レーザーの光軸もできるだけ銃軸に近づける設計が主流になりつつある。たとえば、B.E. Meyers DAGIR、SMSLaser Trinityは、発光部が銃身の真上にある。

もちろん、上下のオフセットはなくならないし、光は直進するが弾は落ちる。それでも、左右のオフセットがなくなるだけで、照準具としてはかなり扱いやすくなる。

B.E. Meyers DAGIR (LA-30 SAL-UHP) と SMSLaser Trinity

Shock Hardened 仕様がない?

2010年ごろ、米軍SOCOMに配備されたMK17 SCAR-Hについて、光学機器が故障したり、照準が狂ったりする問題が明らかになった。MK17のボルトがあまりに勢いよく閉鎖するのが原因であった。これを受けて、SOCOMは光学機器を shock hardened (耐衝撃) 仕様に更新することになった。LA-5レーザーは、バッテリーキャップを改良し、内部を樹脂でポッティングした、D型とE型に更新された。

NGALが耐衝撃であるかどうかについては諸説ある。「NGALのMK17対応版が通常版とは別に開発されていた」という言説9もあるし、「NGALはMK17で試験済みである」という言説10もある。MK17対応であると公式に発表されていない以上、どうしても不安は残る。いずれにせよ、7.62以上の機関銃にNGALが載っている例を、筆者は見たことがない11。

Ultra High Power 仕様がない

NGALの前身であるATPIALには、出力が異なる4種類のバリエーションがあった。

  • ATPIAL Civilian Power (ATPIAL-C)
  • ATPIAL Standard Power (AN/PEQ-15)
  • ATPIAL High Power (LA-5, LA-5B, LA-5D/PEQ)
  • ATPIAL Ultra High Power (LA-5A, LA-5C, LA-5E/PEQ)

米軍SOCOMでは、HP仕様を5.56用、UHP仕様を7.62以上用として使い分けていた。NGALはHP仕様しかない。NGALのUHP仕様は登場しなかった。

一方、米軍SOCOMは2021年からUHPレーザーを要望し、Squad Aiming Laser – Ultra High Power (SAL-UHP) として、2024年にB.E. Meyers DAGIRを採用した。NGALのUHP仕様としてDAGIRを採用したようなものである。

SAL-UHPの募集はSBIR (中小企業限定入札) で行われた。B.E. Meyers、Wilcox、Envisionの3社が2022年に応札した。大企業であるL3HarrisはSBIRに参加できない。

LA-30 SAL-UHPのスペックシート。イルミの最大出力はなんと350mW! (B.E. Meyers, 2026)

照射ボタンが押しにくい

リモートスイッチを接続しない場合、本体のFIREボタンを押してレーザーを照射する。しかし、NGALではATPIALよりも、「グローブをはめた指先の感覚だけでは、どこにFIREボタンがあるのか分かりにくい」ということが問題になっている。ジェイミー・コールドウェル氏は、それが最大の不満であると述べている12。

このような声を受けて、2025年に RTK MALSOB (Miniature Aiming Laser, Strap-On Button) という製品が登場した。FIREボタンにかぶせることで、ボタンを大型化するものである。元デルタのチャック・プレスバーグ (Chuck Pressburg) 氏も絶賛している13。

NGALのFIREボタンを大型化する、RTK MALSOB。(@rtkllc, 2025/10/17)

事実上の後継機:Envision RAIL

NGALの生産は現在も続いているが、その開発者はすでにL3Harrisを離れ、2019年に独立している。1987年にInsight Technologyを創業した、ケン・ソリンスキー (Ken Solinsky) 氏である。現在は、Envision Technologyで新しいレーザーを開発している。

Envision RAIL (Rail-mounted Aiming & Illumination Laser) は、NGALの事実上の後継機である。寸法・重量はNGALとほぼ同じであるが、次のような特徴がある。

  • VISレーザーの色を選択できる (緑色・赤色)
  • 180度の広範囲を照らすIR LEDイルミネーターを搭載 (CQBモード)
  • 本体とリモートスイッチのボタン (各2つ) に機能を割り当てできる
    • レーザー出力調整 (4段階)、VISオーバーライド、CQBオーバーライドなど
  • モードセレクターにプログラムした機能を追加できる拡張性あり
  • オンオフ可能なOLEDディスプレイを搭載
    • より直感的に設定を確認できる
  • 横入れバッテリー
  • 民間モデルあり (RAIL-C)
  • 一体型レンズカバー
    • ゴム製のビキニカバーではない。一気に外して側面にスナップできる
  • 上面の小さなネジを回して訓練用に出力を規制する
    • ATPIAL, NGALなどの青色ネジの代わり

2025年、米海兵隊がAN/PEQ-16Bの後継機としてEnvision RAILを採用し、AN/PEQ-20の制式名が与えられた。

Envision RAILのスペックシート。(Envision, 2025)

脚注

  1. かつての Insight Technology を源流とする、L3Harris Integrated Vision Solutions 部門 ↩︎
  2. Multi-Function Aiming Laser (MFAL) ↩︎
  3. エアソフト用レプリカのような、緑色レーザーや白色ライトを照射するNGALは実在しない。 ↩︎
  4. "According to conversations with the L3 representative, the NGAL has entered active service with special operations elements in 2016 and 2017." (Recoil, 2018/03/02) ↩︎
  5. 「KSKが新小銃HK416A5用のNGALを取得した」という情報が、2017年2月にDEVTSIXに投稿された。 ↩︎
  6. TNVC, 2021/03/13 ↩︎
  7. "Of chief importance is the use of aluminum for the NGAL frame." (Recoil, 2018/03/02) ↩︎
  8. エアソフト用レプリカのような、黒色のNGALは実在しない。 ↩︎
  9. Weapon Outfitters, 2023/08/15 ↩︎
  10. TNVC, 2024/04/11 ↩︎
  11. MK17 SCAR-HにNGALが載っている例は、わずかにある。 ↩︎
  12. @1minuteout, 2025/10/18 ↩︎
  13. @presscheckconsulting, 2025/10/18 ↩︎

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